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『足るを知るメソッド』の教科書

【方法編】

【第四章】自分への期待を捨てる

 続いては、自分への期待を捨てるです。

 「もっとできるはず」、「やればできるはず」というような自分自身への期待は、きっと誰もが抱いたことがあると思います。しかしこのような期待は、自己成長に繋がる一方で、実はストレスの原因にもなることがあります。

 ここでは、ストレスの原因となる"自分への期待"を手放しながら、自己成長をも促す方法をお伝えしていきます。

"自分への期待"を捨てる理由

 "足るを知る状態"というのは、現状をあるがまま受け入れている状態のことを指します。ここでいう現状とは、周囲の環境だけでなく、自分自身の状態も含みます。


 そして、"自分に期待している状態"とは、「もっとできるはず」と、今の自分に無いものを自分自身に求めている状態のこと。つまり、自分に期待をかけるということは、現状を受け入れていないことだと考えられるのです。


 そこで、"足るを知る状態"になるには、自分への期待を捨てることが必要になってくるわけです。

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現状に満足したら、向上心が無くなる?

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 「もっとできるはず」という自分への期待を捨て、現状に満足してしまったら、「向上心も同時に消えてしまいそう」と思う人もいるかもしれません。確かに、何かを目指すための熱い向上心は消えてしまうでしょう。


 しかしその代わりに、未完成な自分を認めることで、そんな未完成な自分を受け入れてくれる人たちへの感謝が溢れてきて、「自分にできる100%を発揮して、その人たちに貢献したい」という思いが生まれてきます。そして、その"自分にできる100%"を出し続けているうちに、向上心を持たずとも、自然に向上できるようになるんです。

 また、"自分にできる100%"なので、できないことに必要以上に時間を割くこともなくなり、効率的に自己成長することができます。

自分への期待を捨てる方法

 自分への期待を捨てる方法は、単純ですが、ちょっと難しいかもしれません。その方法というのは、「とことん自分を落とす」というもの。例を見てみましょう。

《自分を落とす例》

  • 頭が悪いと思われたくない人は「どうせ頭が悪いのはバレてるし」

  • 非常識だと思われたくない人は「どうせ非常識だし」

  • オシャレだと思われたい人は「人を真似てオシャレしても、どうせ着こなせてないし」

 このように、自分が「こうは思われたくない」と思っていた姿が、自分の本当の姿なのだと認める、という作業をするのです。作業としては単純なのですが、精神的なダメージの大きな作業なので、「認めたくない」という思いが邪魔をして、うまくできないかもしれません。一人では難しいと感じたら、ぜひ『たるしる式セルフカウンセリング研究会』へお越しください。 自分を散々おとしめて、けちょんけちょんにけなして、「かっこ悪くて、恥ずかしくて、消えたくて、もう生きているのが辛い……」と思えるほどとことん追いつめたら、次のステップへ進みます。

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ポイントは"自己卑下で終わらせない"こと

 ここまで自己卑下すると、自尊心は地の底に落ちます。

 そして、「頑張って生きてもこの程度……ならばもう、戦う意味はない……」と、自然に競争社会から戦線離脱するので、この時点で、身体はゆるゆるになり、肩コリなどの痛みが改善する人も多いと思います。今までどれだけ力を入れて生きてきたかに気づくでしょう。


 さらに次の段階として、「こんなに情けない自分でも、側にいてくれる人がいる……」ということに気づき、周囲の人の優しさ、強さ、心の広さに、尊敬の念が生まれてきます。


 そしてここが一番のポイントなのですが、「こんなに素晴らしい人たちに、何もできないのに愛されている自分は、そのままで素晴らしい存在なのかもしれない……」と、新たな自尊心が芽生えてくるのです。
 この自尊心は、何もできない、ただ生きているだけの自分自身に対する本物の自尊心。人と比べたり、何かができることで作り出していた偽物の自尊心とは違い、他人の存在や「できる、できない」の結果によって振り回されなくなります。自尊心を保つために他人を見下す必要もなくなるので、人の成功を素直に喜べたり、自然に人に優しくできたりします。


 また、前述したように、「何もできない自分を受け入れてもらえている」という感謝から、「自分にできる100%を発揮して、みんなに貢献したい」という思いもわいてきます。
 「いい人と思われるように」「嫌われないように」と続けていた、偽物の"人のために生きる人生"から、「自分はこんなにも愛されて、満たされているから、その感謝を返したい」という、自分から溢れ出た愛を分け与える真の"人のために生きる人生"へと、シフトチェンジされるのです。

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