

『足るを知るメソッド』の教科書
【効能編】
【第一章】ご自愛がいらなくなる
第一部では、『足るを知るメソッド』の効能についてご紹介していきます。その一つ目が、ご自愛がいらなくなるというもの。
"ご自愛"って、ご存知ですか? よく、体調を崩した相手に「ご自愛くださいね」なんて言うことがありますが、ストレス社会の近年では、ストレスを溜めないための心のケアとしても、"ご自愛"という言葉がよく使われているんです。
まずは、「ご自愛って何?」というところから、『足るを知るメソッド』の効能の一つ目、ご自愛がいらなくなるについて解説していきます。
そもそもご自愛って何?
自己啓発系の本を読んでいると、こんな言葉をよく目にします。
・ご自愛
・自分をまず一番に大切にする
・自分を満たす
これはどうしてかというと、自分を満たさないまま人のために生きても、どうしても無意識に見返りを求めてしまうから、ということなんですね。
自分を満たさないまま人のために生きるとどういうことが起きるかと言うと、その例がこちら。
・「わたしはこんなにしてあげてるのに!」
・「わたしの苦労も知らないで!」
・「わたしばかり損してる!」
こんな気持ちがわいてきて、イライラしてしまうんです。しかもそのイライラは相手に伝わるので、「あなたのため」と言いながら、結局は相手を不快にさせるだけの、ただの余計なお世話になってしまいます。
だから、人のために自分を抑えるのではなく、まずは自分のために生きよう。自分が幸せでいることが、周囲の幸せにも繋がる。というのが、この"ご自愛"なんです。

ご自愛の難点

流行っているだけあって、やはりとても効果的な"ご自愛"ですが、大きな難点が二つあります。
-
ご自愛には勇気が必要な場合がある
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ご自愛が虚しく感じられる場合がある
どういうことか、例を交えながら見ていきましょう。
《1.「ご自愛には勇気が必要な場合がある」について》
"ご自愛"というのは、「自分の気持ちを大切にして、好きなことをしよう」というものです。しかし、いざ好きなことをしようとすると、人目が気になって動けないということがしばしばあります。
例えば、主婦の方が「子どもがいるのに夜に出かけるなんて……」と罪悪感を感じるとか、会社員の方が「お客さんだから断りづらい……」と、ついつい嫌なことを引き受けてしまうとかいうようなことです。
好きなことをするには、時に「人からどう思われてもいい!」という、強い勇気が必要な場合があるのです。
《2.「ご自愛が虚しく感じられる場合がある」について》
ご自愛の世界には、人からしてもらいたいことは、本当は自分が自分にしてもらいたいことという考え方があります。
例えば、「彼氏がわたしを大事にしてくれない」と悩む人は、本当はその人自身が、自分自身のことを雑に扱っていると考えられるので、その場合、その人はまず彼氏に求めるのをやめて、ただひたすら自分自身を大事にする必要があるということです。
ところが、誰かに求める気持ちのままやみくもにご自愛をしても、ただの慰みにしか感じられず、虚しくなってしまうことがあるのです。
慣れさえすれば、コツをつかんでこれらの難点も克服できるようになるかもしれませんが、多くの人が、コツをつかむまでに数年は要するのではないでしょうか。
ご自愛がいらなくなる理由
『足るを知るメソッド』を用いてカウンセリングをすると、表題の通り、ご自愛がいらなくなります。その理由は、カウンセリングによって、自身が既に多くの人たちから愛されていることを自覚できるからです。
既に愛されていると自覚できれば、心は満たされ、ご自愛で埋め合わせる必要はなくなります。さらに、"他者からの愛"を受け取れているため、ご自愛による"自分で自分を愛する虚しさ"も生まれません。
そして一番のポイントは、わざわざご自愛をしなくても、自分で自分を愛せているということです。「こんなわたしでも愛されている」という自覚は、「どんなわたしでも愛される」という自信に繋がります。つまり、どんな自分でも、自分で認めることができるということです。そのため、無理やりご自愛する時のような罪悪感を感じることもなく、自分の好きなことを自然に選べるようになるのです。
